イギリス永住権を取りました
by Takanori Maehara on 1st December 2025
2025年11月にSkilled Worker Visa (Tier 2 Visa) から永住権,正確には ILR (Indefinite Leave to Remain) に切り替えました.この記事ではそのときの情報を記録します.
注意.これはわたしの個人的な体験を書いたものです.ILR の取得ガイドではありません.ILR を取得しようと思う方は最新の情報を政府のページなどで参照してください.
あなたは誰?
5年前 (2020年) に脱アカデミアしてイギリスでソフトウェアエンジニアになった人です.詳しくは他の記事を参考にしてください.
タイムライン
- 2020年11月: 英国入国 (Skilled Worker Visa)
- 2023年頃: 必要書類の準備開始
- 2024年頃: Life in the UK テスト合格
- 2025年10月: 申請可能時期到来(入国から4年11ヶ月後)
- 2025年11月: ILR取得
ILRとは
適当な条件を満たした人が申請できるビザの一種で,無期限でイギリスに滞在できるようになります.ILR を得るメリットは複数ありますが,実用上最も大きいのは就労が自由になることです.通常のビザ (Skilled Worker Visa) の場合就労先の会社にスポンサーになってもらう必要があります.このことは以下を意味します:
- 失職したとき急いで次の会社を探さないと滞在資格を失う
- ビザをサポートしてくれる会社にしか就労できない(具体的にはスタートアップが無理)
ILRを持っている場合,滞在と就労が独立になるためこれらの制限が解除されます.
ILRを申請できる条件は複数あります.詳しくは政府のページを参照してください.わたしは「Skilled Worker Visa で 5 年間滞在する」を満たしたため申請可能となったので申請することにしました.また,妻( Dependent Visa)も同時に切り替えることにしました.
必要書類
実際に応募可能になるのは入国の4年11ヶ月後からですが,そのタイミングでスムーズに書類を揃えられるように実際には入国の3年後から準備を進めていました.
応募可能時期が近づいたタイミングで職場に弁護士を割り当ててもらい,その指示に従って書類を揃えていきました.
事前に準備していたもの
出国履歴
渡英する前から入出国の記録を Google Doc につけていました.応募可能時期がきたらそれを指定されたフォームに転記するだけでした.
居住の証明
意識せずに生活していると妻の居住証明に苦労することになると気づいたので,少しずつ準備を進めていました.
- 住宅賃貸・購入関係の書類:名義を連名にしました.
- Council Tax: 請求が連名になるように設定しました.
- Utility Bill: 請求書の名前を連名にできるものはそうしておきました.
- Bank Statement: 妻に大手銀行のアカウントを作ってもらいました.それまでは Revolut を使っていたのですが,ステートメントの信頼度を担保するために HSBC にしました.
これらの前処理により,応募可能時期が来たときには連名の書類6通と個別の書類4通の合計10通を揃えられました.6通あればよいとのことでしたが,多くて困ることはなかろうということでこれだけ揃えました.
英語能力の証明
わたしは Visa 申請の際に IELTS の基準を達成しているので特に何かをする必要はありませんでした.妻は IELTS UKVI Life Skill B1 を受けて合格していました.
Life in the UK テスト
イギリスの地理・歴史・公民に関する選択式のクイズです.Bad Pub Quiz などと呼ばれたりもします.これを受けたくて ILR に応募したといっても過言ではありません.例えば次のようなクイズが出ます.
- Who was the first wife of Henry VIII?
- Anne Boleyn
- Catherine of Aragon
- Anne of Cleves
- Catherine Howard
- Who was the first Briton to win the ‘Tour de France’?
- Sir Chris Hoy
- Bradley Wiggins
- Andy Murray
- Sir Steve Redgrave
- Which of the following is a responsibility or freedom shared by all those living in the UK and which people wishing to be a permanent resident or citizen of the UK should respect?
- Go to church
- Treat others with fairness
- Eat traditional British food
- Look after your neighbours
24問出て18問以上正解する必要があります.上の問題を見て分かる通り勉強なしで通る試験ではないです.一方で,1ヶ月くらい勉強すれば21〜23問くらいを安定して正解できるようになります.失効することはないので余裕のあるときに合格しておくのがよいです.
わたしは https://lifeintheuktestweb.co.uk/ の資料を通読したあと問題を端から順番に全部解きました.結局のところ練習問題を解くのがよいと思います.
直前に準備したもの
就職先からのレター
就職期間・役職名・給料・有給取得履歴などが記載されたレターが必要になります.わたしは途中で就職先が変わっているので現職と前職の両方に発行を依頼しました.現職・前職どちらも大きな会社で ILR 申請の経験が豊富だったのでレターは容易に手に入りました(担当弁護士よりも詳しかった).
収入の証明
- 弁護士に指定された期間(直近6ヶ月)のPayslipとそれが記載されたBank Statement
- P60(年間収入証明)
を準備しました.
申請手続き〜取得
担当弁護士に書類を全部渡したら応募周りは全部やってくれました.Priority Service という結果が出るのが早いサービスを利用しました.応募後直後に生体情報(指紋・写真)をとるために UKVCAS の予約をとり,数日後に UKVCAS センターにいって手続きをしました.センターでの手続きは一瞬で終わりました.
UKVCAS で手続きをした翌日に弁護士からメールで「通りました」との連絡を受け,無事に ILR への切り替えに成功しました.なお ILR は現在デジタル形式(eVisa)で確認できるようです:
料金
応募に係る自分の分の料金は会社が出してくれました(ありがとうございます).妻の分は自費で,弁護士費用を含めて合計約£3,500かかりました.